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2003年5月8日 
第156回国会 衆議院 総務委員会   
案件:電波法の一部を改正する法律案(内閣提出・民主提出)、通信・放送委員会設置法案(民主提出)

[1]質疑内容   [2]質疑項目   [3]会議録抜粋


[1] 質疑内容(31分) 「電波利用料について」   

久々に総務委員会に参加し、「電波法の一部を改正する法律案」について質問を行いました。

現在、地上波テレビ放送のデジタル化が進んでいますが、これに必要な経費の一部は電波利用料で賄うことになっています。

電波利用料とは、電波が混信の心配なく安心して使えるようにするための管理費等、必要な経費を賄うために、電波利用者全員から徴収されています。この電波利用料は、原則として、NHKや民法キー局の有する大きな放送局であれ、携帯電話であれ、放送局1つごとに同一の料金が課されます(実際は、テレビ局24000円、携帯電話540円となっています)。つまり年間約500億円にのぼる電波利用料のうち、約85%は携帯電話会社が負担し、0.6%を放送事業者が負担することになります。

今回、電波利用料で賄おうとしている経費は約1750億円と試算されています。とすると約1500億円を携帯会社が負担し、約10億円を放送事業者が負担することになるわけです。

何故地上波テレビ放送の経費を、携帯電話会社がこれだけ負担しなければならないのでしょう?

政府もさすがにこれは不味いということで、今回の法律改正で、放送事業者の負担を約250億円程度に増やすことを提案してきました。しかしそれでも放送事業者の負担は少ないように思います。そもそも250億円という数字はどこからきたのでしょうか?今回の質疑ではそういった点について質問いたしました。

最終的な総務省の回答は、250億円という数字は、きちんとした根拠があって決まったというよりも、これまでほとんど電波利用料を負担していなかった放送事業者が、急に負担額をあげろと言われて何とか出せるギリギリの額がこの程度だったということのようです。

この問題は、もちろん地上波放送のデジタル化に要する経費を電波利用料で賄うことそのものに問題があるのですが、他方で電波利用料が、電波の価値も考えずに、放送局ごとに一律同額で設定されていることにも問題があります。

民主党は、電波利用料について、経済的価値を勘案した料金設定を導入することや電波利用権を獲得するにあたってオークション制度を導入することにより、電波を適切に再配分していく方策等を提案しています。

[2] 質疑項目

1.電波法改正案(閣法)について

  1)放送事業者の平年度の電波利用料支払総額及び今回の改正による追加額
  2)追加徴収総額245億円の根拠
  3)アナログ周波数変更対策経費について
    a)同経費総額に占める放送事業者の電波利用料支払総額の割合
    b)同経費総額のうち放送事業者の受益分(2分の1)を全額(約900億円)負担させる必要
    c)同経費を電波利用料で賄うことの妥当性

2.電波法改正案(衆法)について

  1)経済的価値を反映させた電波利用料額の算定方法
  2)オークション制度の導入について
    a)目的及び想定している方式
    b)導入後も現行の比較審査の方法を残す理由
    c)免許期間を20年とする趣旨及び免許期間の長期化に伴い電波の有効利用の妨げとなる懸念
    d)デメリット(免許料の高騰等)に対する提出者見解
    e)諸外国における導入の成功例
    f)導入についての大臣見解

[3] 会議録抜粋

○中村(哲)委員

 民主党・無所属クラブの中村哲治でございます。

 久しぶりに総務委員会で質問をさせていただきます。さて、本日は、電波利用料について質問をさせていただきます。

 まず、政府に、特定周波数変更対策業務、いわゆるアナ・アナ変更に伴う費用について質問をさせていただきます。

 政府提出法案では、アナ・アナ変更に伴う費用について、放送事業者に追加負担を求めております。その追加負担をした場合と、していない場合と、それぞれ放送事業者が負担する費用は幾らになるんでしょうか。

○吉田大臣政務官

 御答弁申し上げます。

 追加徴収前、すなわち平成十四年度の電波利用料予算における放送事業者の負担額は年間約五億円、そして、追加徴収をさせていただけた場合の平成十五年度の電波利用料予算における放送事業者の年間負担額は約三十五億円となります。

○中村(哲)委員

 全体で千七百八十六億円かかる、その総額ではどうでしょうか。

○吉田大臣政務官

 アナログ周波数変更対策について、平成十三年度の段階において対策経費が大幅に増加したわけであります。このことについては、委員御質問のとおり、私もなぜに……(中村(哲)委員「今はデータを聞いているだけです」と呼ぶ)

 これは、ですから、五億円プラス三十億ということで三十五億と……(中村(哲)委員「それは年間ですよね。総額を聞いているんです」と呼ぶ)総額は、結局、二百四十五億円ということになります。これを八年で割りますものですから約三十億と……(中村(哲)委員「幾らから二百四十五億に」と呼ぶ)

 これは十年という数字で計算をさせていただいておりますけれども、実際には、サイマル放送の期間は一局当たり平均して二・八年、こういうことでありますから、これから計算をいたしますと……(中村(哲)委員「わかりやすくもう一回質問しますので」と呼ぶ)はい。

○中村(哲)委員

 わかりやすく説明をゼロからさせていただきます。

 二年前の電波法の改正のときの審議では、アナ・アナ変換にかかる費用というのは八百五十二億円と言われていたんです。そして、今回、いろいろ紆余曲折があって、ここはまた議論をしないといけないんですけれども、この二年間で八百五十二億円が千七百八十六億円になっちゃった。だから、電波法を改正して電波利用料の見直しをしないといけないというのが今国会の流れなんですよ。そして、八百五十二億円だったら年間五億円で済んでいたなという議論だったんですが、千七百八十六億円になったので、放送事業者の負担もふやさないといけませんよね、そうしたのが今回この法案が衆議院でかかっている経緯なんですね。

 私が政務官にこんなことを説明するのはどうなのかとは思うんですけれども、そういう趣旨で今議論がされているわけなんです。政務官、きょう何か答弁に立つことが急遽決まったみたいなんで、ちょっと大変だったのかもしれないけれども、まあそういう流れで来ているわけです。

 そして、その千七百八十六億円になりましたね。でも、今までのルールだったらこの千七百八十六億円のうち幾ら放送事業者が負担することになっているのか、そして、今回の法案に変えることによって幾らになるのか、それは今、吉田政務官が説明されたように二百四十五億円なわけですよ。だから、この法案が通らない場合に、千七百八十六億円のうち放送事業者が幾ら負担することになっていたのかという、その二百四十五億円のもとの数字を聞きたいわけです。

○吉田大臣政務官

 これは、五億円掛ける八年でございますから、四十億円ということになります。

○中村(哲)委員

 つまり、千七百八十六億円のうち四十億円しか放送事業者は負担しないことになっていた、しかし、今回の法案が通ることによって、千七百八十六億円のうち二百四十五億円は負担しますよ、そういう話ですよね。

 ということは、その差額の、千七百八十六億円引く二百四十五億円、だからこれは大体千五百四十一億円になるわけですよね。そして、携帯事業者は結局このうちの八割ぐらいを負担するわけですから、約千三百十億円ぐらいを携帯事業者が負担する、こういう計算でよろしいんですね。(発言する者あり)

○片山国務大臣

 済みません。委員長の前に御指名をいただきまして。考え方はそのとおりです。

○中村(哲)委員

 それじゃ、四十億円から二百四十五億円に放送事業者の追加負担分がふえました。それじゃ、この放送事業者の追加負担分の二百四十五億円というその根拠は何でしょうか。

○吉田大臣政務官

 これは、先ほどちょっと答弁を早まってし始めたんですけれども、アナログ周波数変更対策業務には、当該対策業務の終了後に空き周波数が生じるというようなこと、周波数の逼迫緩和にもなるということから、無線全局に対して受益が発生します。と同時に、デジタル放送が開始されてもアナログ放送が引き続き円滑に維持できる、こうした受益、放送局のみに発生する受益もあります。これを、ざっくり千八百億を半分ずつということで九百億、こういうことです。

 電波法上、アナログ周波数変更対策業務について十年間を超えない範囲でやる、こういうことですから、アナログ放送局の周波数の使用期限を定めることにしております。したがって、仮に周波数割り当て計画の変更日から直ちにデジタル放送を開始した場合、アナログ放送局には最大十年間のアナログ放送を継続できる受益が生じるということです。

 結果として、放送事業者の追加負担分を算定するに当たり、まず、最大十年間のサイマル放送が行われた場合は、無線局免許人全体に生じる受益と等しく取り扱い、アナログ放送局の免許人にアナログ周波数変更対策業務に要する費用の二分の一の負担を求めることが適当である、こう考えるわけですね。

 結果として、実際に、デジタルとアナログのサイマル放送の期間は、一局当たり、さっき申し上げたように平均二・八年か、こう推定されます。実利用期間を勘案して、放送局の追加負担の割合をアナ変対策経費の二分の一、すなわち二・八年、十年間ですから、この割合でいきますと、結果として二百四十五億、こういう計算になるわけです。これを八で割ると年間三十億ということであります。

○中村(哲)委員

 私は、その質問を昨日も公務員の方から聞いたんですよね、事前にレクをして。論理的につじつまが合わないんですよ。

 ざっくり九百億円というたら、九百億円負担すべきじゃないですか。受益を受けるのが放送事業者、それで全体が半分。事業者と全体で半分ずつ負担しようということだったら、事業者全体で九百億円負担すべきなんじゃないですか。受益を受けるから半分ずつにするんでしょう。その間、今、吉田政務官おっしゃったように、サイマル放送するから、二倍受益を受けるから、だから負担するという理屈じゃないですか。

 吉田政務官、私が言っていることを理解されていますか。ちゃんと話を聞いて答弁に向かってくださいよ。ざっくり九百億円だったら、九百億円負担すべきなんじゃないですか。

○吉田大臣政務官

 これは、今のお話のとおり、放送事業者と実際に必要とする費用を負担し合おうということで、今回の電波利用料改定により、放送事業者には新たに二百四十五億負担をお願いすることになるわけで、アナログ停波までの期間、現行のアナログ放送が継続できるという放送局に発生する受益に相当する負担額として算定したものであり、追加負担額としては妥当であろう、こう考えているわけであります。

○中村(哲)委員

 ここにいらっしゃる委員諸君に改めてお聞きしたいんですけれども、したいぐらいなんですけれども、今の答弁でわかりますか。今、吉田政務官のおっしゃった答弁は、先ほどおっしゃったことの繰り返しであります。

 私が聞いているのは、ざっくり九百億円と言うんだったら、全体で九百億円負担しないといけないんじゃないですか。それをさらに十分の二・八するということは二重の意味でおかしいんじゃないですかということを言っているんですよ。論理的につながらないんです。そこについての答弁を求めているのに、書かれたものしか読まないということでは、それは務めを果たせませんよ。いかがですか。

    〔林(幹)委員長代理退席、委員長着席〕

○片山国務大臣

 こういうことなんですね。アナ・アナは、周波数変更をデジタルのための前提としてやるんです。それは、もう確かにそのとおりなんです。しかし、これをやることによって、周波数が相当再編、合理化、効率化されるんですね。

 というのは、電波が相当あいてくるわけですよ。あいてくるものはいろいろなことに使えるわけなんですよ。例えば、今は電話は第二世代が主流で、第三世代の携帯電話が始まっておりますけれども、恐らく八、九年後には第四世代ということになるんですよ。だから、そういう第四世代の電波も確保せないかぬのですね。そういうことは無線局全体の利益であるんです。だから、本来は、特に放送事業者だけに特別の負担をお願いせずに、今の電波料の仕組みで全体を賄わないかぬのです。

 ただしかし、一つは、不公平であるということがありますよ、不公平である。〇・八%しか放送事業者は持っていない、これは私は不公平だと思うんです。

 それからもう一つは、平均二・何年間、三年間はサイマルをやるわけですね。だから、その分だけ両方使うわけですよ。デジタルも使い、アナログも使うわけですから、その分は負担してもらってもいいじゃないか、こういう理屈なんですね、当方の理屈は。

 それからもう一つ、放送事業者の理屈を言うと、今まで〇・八%の負担しかしていないのに、何で今特別にこれを負担せないかぬのだと。それについては、ちゃんと自分らも納得できるということと負担能力の問題がある。経営等も必ずしも全部順調じゃありませんから、個別の名前は言いませんけれども。

 そういうことの中でいろいろ御相談いただいて、このくらいなら理由も説明、納得できるし、このくらいなら負担できる、そこで折り合ったのがこれでございますので、ひとつ御理解を賜りたいと思います。

○中村(哲)委員

 つまり、二百四十五億の数字というのは、論理的に決まった数字じゃないということですよ。このくらいだったら負担できるだろうという、経営的な状況も踏まえて相談の上決まった数字だ、そういうふうに大臣が最初から答えてもらったらわかりやすいわけですよ。

 だから、二分の一掛ける十分の二・八というのは、ある意味、相談の上決まった数字で、今の説明を聞いていたら、理由は後づけですよ。そうじゃなければ、もともと、これは十三年の改正のときにもっと議論しておくべきだったのかもしれませんけれども、そもそも電波利用の趣旨ということからこのアナ・アナ変換の費用というのは外れていると言っていいんですよね。

 もともと電波利用料制度というのは、無線局全体のための共益的な行政事務の全体費用を全体で分ける、そういった考え方ですよ。アナ・アナ変換の費用が共益的な行政事務と言えるのかどうか。法律百三条の二第二項で挙がっておりますけれども、それと比べてアナ・アナ変換の費用だけが、ある意味、突出して性質が違うわけですよ。

 だから、アナ・アナ変換というのは、電波利用料の枠を広げるんじゃなくて、やはり特別の対策をする立法をつくるか、特別の財政的な措置を設けるような、そういうスキームをつくるべきだったんじゃないか、私はそういうふうに思っているんです。そうじゃないと説明がつかないですよ。今大臣がおっしゃった、大臣が認めていらっしゃるように、純粋に、ぎりぎりと合理的な基準でこの額が決まっているわけじゃないんですよ。

 いわば、ざっくりいくんだったら九百億負担すべきなんです。だけれども、やはり経営的な状況もあって、急にふやせと、今まで年間四億から五億円しか負担できていなかったのが、いきなりこれ九百億ということになると、年間百億円ぐらい負担しないといけないということになりますから、それはきつい。そういうことで、大臣おっしゃったように二百四十五億円になったんですよ。

 だから、私は、そもそもこのアナ・アナ変換というものを電波利用料というスキームでやること自体に論理的に無理があるんじゃないかと思うんですが、いかがですか。

○加藤副大臣

 委員のお話でありますが、アナ・アナ変換によってもたらされる利益ということに関していいますと、アナログ放送終了後の周波数逼迫の解消による利益、そしてまたデジタル放送開始後に混信を生じることなく現在の無線局を引き続き利用できるという利益、この二つの利益が考えられますが、いずれも、この利益について、無線局の免許人が享受する利益であります。

 このように、アナ・アナ変換対策の受益者が無線局の免許人に特定できることから、受益者負担金の一種であります電波利用料財源で賄うという考え方に無理はないと考えております。

○中村(哲)委員

 これからは民主党の法案提出者にお伺いいたします。

 私は、民主党提出者の出している法案というものは、今政府がおっしゃった、逼迫した周波数を有効的かつ効率的に利用するということを意識してつくられているんだと考えております。具体的には、電波利用料の設定に経済的価値を反映させて、効率的再配分を行うに当たり、市場の力をかりようとするというものだと理解しております。

 そこで、法案提出者にお伺いいたします。電波利用料の額はどのように定めるんでしょうか。

○武正議員

 中村委員にお答えをいたします。

 まず、前提といたしまして、衆法提出者は、地上波デジタル放送については、もちろんそれについては是である。あるいはまた、先ほど大臣が答弁されたように、景気回復といったことももちろん是である。そういった観点から、やはり土俵づくりについては第三者機関、あるいは公平公正な土俵をつくってもらった上で事業者がそこで事業を営む、こういった観点から衆法を提出しております。

 今の御質問でございますが、電波利用料の額は、経済的価値が適切に反映されるような算定基準を総務大臣、設置後は通信・放送委員会、第三者機関が省令で定め、これによって決定することとしている。また、免許人の選定に当たっては、オークションが用いられた場合は、オークションにおける競落額が電波の経済的価値を適切に反映するものとして電波利用料額となるということでございます。

 先ほど委員御指摘のように、九三年に電波利用料がスタートした当時は、当初、郵政省は出力とか帯域幅に応じて電波利用料を決めたかった。ところが、関係省庁とのやりとりの中で、結局、書類の量によった。つまり、手続費みたいな形になってしまった。これも、やはり電波というものが関係省庁にまたがるがゆえに、内閣府の外局、三条委員会にすべきという根拠にもなろうと思います。

 また、今回のパブコメについても、NHK、民放連、テレビ東京、あるいは新広島放送等から、これは暫定的な措置なんだろう、あるいは、納得がいかない、あるいは、三つに分けることは疑問がある、今回限りにしてくれというパブコメが出ておりますので、やはり放送事業者からも異論が出ている。

 さらにまた、サイマル放送についても、受益があるというふうに総務大臣はおっしゃいますが、NHKからも、これはユニバーサルサービスであって受益にはならないんだ、あるいは民放連からも、二重投資でこれは受益にならないんだ、そういった指摘もあるわけでありまして、さまざまな問題をはらんでいるので、やはり経済的価値に応じた電波利用料設定、しかもその参考にオークションが必要、このように考えます。

○中村(哲)委員

 よくわかりました。

 それでは、オークション制度導入について、そもそもの目的は何ですか。また、具体的に衆法提出者が考える法案におけるオークション形式とはどういうものをお考えなのでしょうか。

○武正議員

 電波は国民共有の資源であって、それを効率的、効果的に使うことで、これは国民の福利向上、そしてまた日本における電波を利用した技術の発展、そしてそれを利用して起業、つまり、どんどん事業が起きてくる、あるいはベンチャー企業が起きてくる。こういった目的のために、まず電波利用共益費という今の概念、経済的価値については、負担していない、つまりゼロである。これはやはり、電波を効率的に利用するインセンティブが働く仕組みになっていないという認識のもとに、電波利用により享受する経済的利益に見合った負担を行う趣旨に改める。具体的には、オークションの形式として、電波利用料の一年間当たりの額について競りの方法をもって行うこととしております。

○中村(哲)委員

 それだったら全部オークション方式にするのが筋じゃないかなという考え方もあると思うんですが、しかしながら、衆法提出者の法案によると、オークションによる免許付与と従来からの比較審査による免許付与を総務大臣、設立後は通信・放送委員会ということになるんでしょうけれども、総務大臣が選択できることとなっております。その趣旨は何でしょうか。

○武正議員

 オークションが成り立つためには、付与可能な免許の数に比してこれを上回る数の申請者が見込まれること、ある周波数帯につき特定の者に免許を付与する公益上の必要がないことといった諸条件が整う必要があるが、これに関して、個々の免許ごとに状況判断が必要であるため、総務大臣、設置後は通信・放送委員会が個別に選択できることとする必要がある。ですから、やれるものとやれないもの、それは通信・放送委員会が見きわめるということでございます。

 加えて申せば、例えば放送についてはやはり公共性が高いというようなこと、あるいは公的セクターについては、今ゼロでありますが、これはやはり賦課をすべきでありますが、公的セクターについても、やはり通信・放送委員会がその公共性にかんがみてその設定額を決めるというようなことはできようかというふうに思っております。

 加えて、昨年この電波利用料、放送局の値上げということが報道された当時、当初七十億というような報道もございまして、結果三十五億に落ちついたといったことがあります。こういったことが放送の独立性の堅持の妨げになるのではないか。つまり、放送局が支払うべき電波利用料の額を総務大臣のさじかげんで決めてしまうということにならないか、こういう危惧を覚えての衆法の提出になっております。

○中村(哲)委員

 非常にわかりやすい答弁ありがとうございます。

 それでは次に、免許の有効期間を五年以内から二十年以内にするのはなぜか、そして、有効期間の延長はかえって再配分が硬直化するのではないか、その二つの質問をあわせてさせていただきます。

○武正議員

 オークションを成功させるためには、免許の有効期間を現行の原則五年以内よりも長くすることが必要な場合もあり得ると考えたところであります。例えば第三世代携帯電話のように規模の大きな事業では、欧州で見られるように、二十年の免許期間が適当と考えられるものもあり、二十年の範囲内で個別に適切な免許期間を設定できるようにしたということでございまして、この二十年以内ということが初期投資の回収に当たっては有効ではないか。

 ただ、これが再配分を硬直化するということも御懸念あると思いますので、最初のオークションの際に年数を設定して、二十年の範囲内でどの程度で競りをかけるか、それを決めることも通信・放送委員会ができるわけでございますし、あるいは、例えば十七年で落札をした業者さんが、例えば十五年で返そう、あるいは十四年で返そう、こういったことも一年ごとに競りの額を払っているという仕組みからいって可能であるというふうに考えております。

○中村(哲)委員

 オークション制度を導入した場合の懸念なんですけれども、オークション制度を導入したら免許費用が高騰したり買い占めが行われるような、そういう懸念が考えられるんですが、その点についてはいかがお考えでしょうか。

○武正議員

 いわゆるバブルというんでしょうか、これは欧米であったというような御指摘があるわけなんですけれども、オークションは市場原理によって経済的価値をはかる方法であり、オークションによる競落額は電波の経済的価値を適切に反映したものになると考えております。オークションは、諸般の状況から適当と認められる場合に初めて実施されるものであり、周波数帯が特定の者によって買い占められるおそれはないものと考えております。

 先ほど、冒頭触れたバブルでありますけれども、これは、インターネットバブルの時期に重なったワイヤレスバブルというようなことも言われておりまして、特にイギリス、ドイツというところがその額が高騰した。それを見て各国がさまざまな形を取り入れているといったこともあるわけなんですけれども、一つやはり事例といたしましては、入札額は高騰したけれども、それが利用者に転嫁されたことはない、これはぜひ御認識をいただきたい点でございます。

○中村(哲)委員

 その具体的な例として、海外で実際にオークション制度を導入していて成功している事例というものは、具体的にもし答えられるのであれば答えていただきたいと思うんですけれども。

○武正議員

 一九九〇年前後から米国における第二世代携帯電話のオークション、九三年を初めとしてニュージーランド、オーストラリア、英国、ドイツ、カナダ等で無線局免許にオークション制度が導入され、これまでに多数実施されており、肯定的に評価されているものと理解しております。

 欧州の一部、先ほど触れたように、イギリス、ドイツでは、二〇〇〇年に実施された第三世代携帯電話の免許のオークションにおいて免許料が高騰したことが問題とされたのは確かでありますが、これらの国でもオークション制度自体はおおむね肯定的に評価しているものと理解しているところであります。

 また、先ほど触れたように、イギリス、ドイツを参考に、例えばイタリアでは書類審査を事前にやる。あるいはフランスでは、美人コンテストというんでしょうか、そういう事前審査の方式を取り入れている。あるいはオランダでは上限価格を設定しているなど、さまざま各国工夫しながら、このオークション制度を前向きに導入しているということでございます。

○中村(哲)委員

 非常によくわかりました。

 オークション制度だけでやるというわけではなくて、オークション制度を部分的に導入すると。オークション制度にも弊害が起こる部分に関しては、従来の、今までどおりの方法も使うことによってその弊害をなくしていく。非常に明確な基準を求めてこれをやっていけるということですね。

 政府に、このオークション制度についてどのように考えておられるのか、最後にお聞きしたいと思います。

○片山国務大臣

 一つのやり方であることは事実ですが、今のヨーロッパなんかの例を見ましても弊害が多過ぎる。金を積みさえすれば国民の資産である電波を二十年間ひとり占めできるなんということはなかなか国民の理解を得がたい。しかも、具体に弊害があるし、うまくいっていない。ただ、研究はする必要がある、こういうふうに私は思っております。

○中村(哲)委員

 片山大臣の答弁は、武正提出者のお話の一部分をとらえて話されているように私は理解しております。だからこそ、これから検討させていただくということをおっしゃったんだということを理解させていただきまして、時間が参りましたので、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

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