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2003年4月23日 
第156回国会 衆議院 個人情報の保護に関する特別委員会   
案件:個人情報の保護に関する法律案、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律案、独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律案、情報公開・個人情報保護審査会設置法案、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案野党提出4法案

[1]質疑内容   [2]質疑項目   [3]会議録抜粋


[1] 質疑内容(50分) 「防衛庁自衛官募集問題について」   

個人情報保護法に関する2度目の質問では、自衛官募集に住民基本台帳データ等が利用されていた件について取り上げました。

この問題は、前日に新聞報道でも大きく取り上げられておりました。その内容は、自衛官募集にあたって、防衛庁が各地方自治体に対し、満18歳を迎える適齢者の情報を提供するよう要請し、多数の自治体がそれに応じ住民基本台帳から抽出した4情報等を提供していたということです。

住民基本台帳に記載された情報は、4情報に限らず原則どなたでも閲覧が可能です。また防衛庁が自衛官募集に関して地方自治体の協力を求めることができる事については自衛隊法第97条に規定されています。その具体的な協力の内容として、必要な情報について地方自治体から提供を受けることも同法施行令第120条に定められています。

しかし、それでは同法及び同施行令に基づけば、どのような情報であれ地方自治体が持っている情報が自衛隊に対して勝手に提供されても良いのでしょうか。実際に地方自治体から提供されていた情報には健康状態に関する情報等、住民基本台帳には載っていない個人情報が含まれていた可能性も指摘されています。

今回の政府答弁により、現行法では、自衛官の採用に関して、必要な情報であれば無制限に情報の提供を受けることが可能であることが判明しました。

また、自衛隊法によれば、自衛官採用に関し警察に対しても協力の要請を行うことができるとされています。その協力の具体的な内容についても追及しました。自衛隊の性格上、公安情報の提供等を受けているのではないかと予想していのですが、その場では不可思議な答弁しかありませんでした。この問題については、次回の質疑でも取り上げています。

[2] 質疑項目

1. 自衛官の募集のための適齢者情報の収集問題

  1)四情報以外の提供情報の詳細
  2)防衛庁提出資料の信憑性
  3)住民基本台帳法第三十七条(資料の提供)の解釈
  4)自衛隊法関連
    a.第九十七条第二項に基づき警察に求めている協力の現状
    b.警察による住所確認の目的、方法及び必要性
  5)自衛官募集の主体
  6)自衛隊法施行令第百二十条(報告又は資料の提出)の解釈

[3] 会議録抜粋

○中村(哲)委員

 民主党・無所属クラブの中村哲治でございます。

 私は本日、いわゆる適齢者情報を提供いただいたその法的根拠について主に質問をさせていただきますが、その本題に入ります前に、若干の事実の確認をまず防衛庁長官にさせていただこうと思います。

 本日、委員会で配付されました防衛庁からの報告書が手元にあります。その二ページ目のところに、募集に関する手引を作成していた団体についての記述があります。募集に関する手引では、四情報以外、つまり氏名、住所、生年月日、性別の四情報以外には、「電話番号、職業、世帯主、世帯主との続柄、健康状態、技能免許等が記載されている。」と報告書には書いてあります。その後に、報告書には、「手引きを特に作成していない地方公共団体にあっても適齢者情報の提供を受けている場合もあり、」と書いてありますが、手引をつくっていた団体に限って言った場合に、四情報以外の項目というものはどういうものが実際に提供されていたんでしょうか。

○宇田川政府参考人

 お手元の報告書の参考がございます。ページは打っていないんですが、四枚目がございます。四枚目の参考一でございますが、「「手引き」等における情報提供に係る記載内容等」というページがございます。この右の方に「四項目以外の情報提供の記載内容」という欄がございますが、ここで、例えば上から二つ目の函館でありますと、四項目以外の情報提供の内容としては電話番号がある、こういうことになります。

○中村(哲)委員

 とおっしゃるということは、四ページ、五ページの書かれているところですべて尽きている、すべて網羅されているということでよろしいですね。

○宇田川政府参考人

 報告書の冒頭で、「現段階で判明している内容を取りまとめたもの」と書いてあるように、現段階ではこのような状況を把握しております。

○中村(哲)委員

 だったら、現段階ということは調査できていないということじゃないですか。こんなので審議できるんですか。きょうはちゃんと出せるから審議をやって、そういう話だったじゃないですか。日程自体が、設定自体がおかしいことになってしまいますよ。どうなんですか。

○石破国務大臣

 これは、委員御指摘のように、それじゃ、現段階でこうであればまだこれから先もいろいろなものが出てくるのか、それじゃ審議できないじゃないか、こういう御指摘かと思います。

 これは、私ども、昨日からずっと、全国の地方連絡部、これは全国で五十ございます、そこに朝から徹底をいたしまして、明け方までかけましてすべての情報を収集いたしました。現段階で、不眠不休で、当然のことでございます、これは国会の御指摘もございますから、可能な限り調べまして、今、了しておりますすべてを出させていただいております。現時点におきまして私どもが知り得る限りの情報というもの、調査というものを提供させていただいているものでございます。

○中村(哲)委員

 私も、何も手引のないところまで包括的に、網羅的に現段階ですべて出せとは言っていないんですよ。手引をつくっているところははっきりわかっているわけでしょう。だから、手引があるところに関しては本日までにきちんと情報を出すのが筋じゃないですか。それができると与党も約束したからこそ、本日この集中審議の日程を入れたんでしょう。筆頭理事、そう約束したんじゃないですか。

 この点が非常に重要なんですよ。きのう、私たちが、もう深夜でしたよ、情報、紙一枚のペーパーをもらって、あしたまでにはきちんと調べてきますと防衛庁の担当者も言っていたじゃないですか。委員会の質疑の基本的なところが欠けてしまうわけですよ。こんなもの、審議できませんよ。

○石破国務大臣

 繰り返してのお答えで恐縮でございますけれども、これで私どもが今調べ得る限りの情報でございます。

 これで、まず、これが無謬ということがあるかどうか、本当に一つか二つどうなんだということを言われれば、それは一つ二つの数字の間違いというようなものがあるいは、すべて私どもが五十地連に行って全部見たわけではございません。全部見て確認した上で正確かと言われれば、それは行っておりません。しかし、ファクスであり、電話であり、それを再確認して、五十地連にすべて確認をした上で出させていただいておる資料でございます。いいかげんなものだとか、これがまだ不十分だとか、そのような不誠実な認識は私どもは持っておりません。

○中村(哲)委員

 五十地連の話をされましたけれども、手引を作成したのは、二十四都道府県、百二十八市町村、一団体、はっきりわかっているんです。手引をつくっているところははっきりわかっている。どういうような情報を実際に出していたかということも、たったこれだけに確かめるだけじゃないですか。二十四足す百二十八足す一ですよ。百五十余りじゃないですか。確実なデータを出せるじゃないですか。

○村井委員長

 きちんと答えてください。

○宇田川政府参考人

 委員御指摘のように、手引を作成している、県等では二十五カ所、市町村は百二十八市町村であります。これにつきましては、昨日、その現物、物を直接防衛庁の方にファクスで送信させまして、それを見ておるところであります。したがいまして、決してずさんな調査ということではございません。

○中村(哲)委員

 私は、何もずさんな調査なんか言っていませんよ。そんな皆さんを愚弄するような言葉は私は言ったことがありませんよ。真摯に仕事をしていただいて、それは敬意を持って質問させていただいていると思っております。

 それじゃ、例えば石川県の例があります。資料の五ページ目です。

 四情報、四項目以外の情報提供については、世帯主が四市町村、保護者等が六市町村、筆頭者が二市町村とあります。ということは、これ以外のものについては石川県ではないと考えてよろしいですね。

○宇田川政府参考人

 委員御指摘の、五ページですか、五ページの方になりますと、地方公共団体から地連への情報提供の内容でありますので、石川県から地連に情報提供の内容になります。これについてはここに記載されておるとおりであります。(発言する者あり)ありません。健康状態とかはありませんでした。実際の提供された分です。

○中村(哲)委員

 確認になりますが、石川県において、表に書かれている以外のものはないと断言していいということですね。提供されているものはないと断言していいということですね。

○宇田川政府参考人

 私がこっちに来る一時間ほど前まででは、そういうものはありませんでした。

○中村(哲)委員

 マニュアルがあるわけですから、これ以上あるかないかと証明するのはそちらの証明責任でしょう。

 これはないと約束できますか。

○宇田川政府参考人

 必ずしも、手引とかマニュアルと実際に提供されている情報とは異なっておりますので、石川県については、ここに書いてあるもの以外についてはございません。

○中村(哲)委員

 本日までにこういった情報をきちんとそろえてくると言ったことが、本日のこの日程の設定の前提だったわけです。与党もそれを約束していたわけですね。

 これに関しては、先ほども、ここにも書かれていますけれども、私も、何も手引を特に策定していない地方公共団体の数まで全部そろえてこいとは言っていないわけですよ。だけれども、手引をつくっているところに関してはきちんとした最終的なデータを出してくるんだなと。昨晩それは約束しているわけです。

 今おっしゃったことは、手引を策定していない地方公共団体にあっても、それをプラスした情報だったらおっしゃる答弁はわかるんですよ。でも、きのうは、手引を作成しているところに関してはしっかりあしたの朝までに調べてきますね、そういうふうに約束をしているわけです。にもかかわらず、現時点でということになると、昨日の約束がほごにされたことになりますので、そこを問題にしているのです。

○村井委員長

 宇田川人事教育局長、マニュアルが作成されている自治体についてどうだという質問者の問いでありますから、それについて、なお、その他の情報があるのかないのか、それだけ明確に答えてください。

○宇田川政府参考人

 マニュアル、いわゆる募集の手引についてのお話であれば、全部取り寄せておりますので、これ以外の、この四ページですか、四ページについての情報以外についてはございませんでした。

○中村(哲)委員

 ないと断言されているということでいいですね。

○宇田川政府参考人

 ありませんでした。この四ページに記載されている以外の、四項目以外の情報については記載はされておりませんでした。

○中村(哲)委員

 私が確認しているのは、これ以上のものがひょっとして今から出たときには責任を問われますよという意味なんです。それでいいですね、その覚悟はありますね。

○宇田川政府参考人

 本報告につきましては、私、責任持って作成しておりますので、募集の手引の関係であれば、今申し上げましたとおり、これ以外の情報については、募集の手引については記載されておりませんでした。

○中村(哲)委員

 誠実な答弁をいただいたと理解いたしまして、次の質問に移りたいと思います。

 さて、私が本日聞きたいのは、いわゆる適齢者情報を地方自治体から防衛庁がいただいていた、その法的根拠についてでございます。

 先ほどの蓮実委員の質問に対する御答弁の中では、自衛隊法九十七条そして施行令百二十条に根拠があるという御答弁でございました。

 それでは、百二十条による要件を満たせば、法的には何でも出せるということでしょうか。

○宇田川政府参考人

 委員御指摘の自衛隊法施行令百二十条は、「内閣総理大臣は、自衛官の募集に関し必要があると認めるときは、都道府県知事又は市町村長に対し、必要な報告又は資料の提出を求めることができる。」というふうに規定されておりますので、自衛官の募集に関し必要があると認めるとき、これに限定されているというふうに考えております。

○中村(哲)委員

 いや、私が申しておるのは、その自衛隊の募集に関し必要があると認めるときに当たれば何でも出せるということですかと。そういうことですよね、今の御答弁を法的に解釈すれば。

○宇田川政府参考人

 繰り返しになりますが、自衛官の募集に関し必要があるということでありますので、その限りにおいては、やはり必要があると判断されれば必要な報告または資料の提出を求めることは可能であると思います。

○中村(哲)委員

 つまり、自衛隊の募集に関し必要があると認めるときであれば、例えば住基情報以外のものでも法的には出してもらえるということですね。

○宇田川政府参考人

 法文上はおっしゃるような解釈になろうかと思いますが、ほかの法令の制約がある場合には、当然それの制約を受けることになると思います。

○中村(哲)委員

 長官、今の話でよろしいですか。ほかの法令にひっかかる場合ということもおっしゃっていましたけれども、何が制約になるんですか、百二十条の。

○石破国務大臣

 それは、何が必要かというその判断です。つまり、必要がないものはとってはいけないということですね。

 つまり、何が必要か。例えば、私は先ほど四つというふうに申し上げました、お名前であり、お所であり、お年であり、そして性別であり。必要なものについては、それは可能でしょう。しかし、逆に言えば、必要でないものは集めることはないわけです。

 法令上可能かと言われれば、可能ということになりますが、それは何が可能かといえば、必要なものが可能なのであって、必要でないものは、とれません、とりません。それは必要ではないからです。

○中村(哲)委員

 それでは、法的には何でも出せるわけです。何でも出せる中で何を出していたのかということになると、先ほどおっしゃっていたように、また報告書にもありますように、実際に出していたものは現時点では、ここに書いてありますように、世帯主、保護者、筆頭者、続き柄、郵便番号、電話番号のほかに、一連番号、行政区、職業、父兄の項目があったというので、これ以上のものはなかったということでいいわけですね。これは確認なんですけれども。

○石破国務大臣

 そういう御理解で結構です。

○中村(哲)委員

 自衛隊法九十七条の二項をお読みいたします。「長官は、警察庁及び都道府県警察に対し、自衛官の募集に関する事務の一部について協力を求めることができる。」とあります。どういう協力がなされているんでしょうか。

○宇田川政府参考人

 応募者あるいは受験者の住所の確定の事務について協力を求めることがあり得ます。

○中村(哲)委員

 ちょっとよくわからないんですよ。

 警察に対して受験者の住所を確認することを協力してもらっているということですか。

○宇田川政府参考人

 御指摘のように、志願者とか受験者の住所を警察に確認していただいている、こういうことであります。

○中村(哲)委員

 それは何のために、そして、どういう方法でなされているんでしょうか。

○宇田川政府参考人

 御質問は二点ありました。

 何のためということでありますが、志願者とか何かが本当にそこに居住しているかどうか、すなわち、連絡とかの問題がありますので、それを確認しないと違うところに行ったりしますしという問題があります。

 それから、何の連絡かというのは、それぞれの地連の担当官と警察の方で連絡しているところであります。

○中村(哲)委員

 国家公務員の募集のときに警察が一々受験者の住所は確認しませんよね。なぜ、自衛官の場合だけ住所を警察が確認する必要があるんですか。

○宇田川政府参考人

 自衛官の募集になりますと、今で二万人程度とかという数字が上がる場合もありますので、大変膨大な数に上がります。したがいまして、地連でやってもいいわけでありますが、ただ、それですと膨大な人手を食うとか、こういうことがありますので、警察の御協力を得ているということになっております。

○中村(哲)委員

 ほかの公務員の場合、行政官庁は、実際にそこに受験者が住んでいるかどうかと確認しますか。それと比べて、なぜ住所地をきちんと警察が調べる必要があるのか。そこの合理性はどこにあるんでしょうか。

○宇田川政府参考人

 自衛官以外の公務員についてどういうふうなことになっているかは私承知しておりませんが、自衛官の場合ですと、やはり数が多いものですから、それに対応して、住所を確認するには警察の手をかりているというふうなことになっております。

○中村(哲)委員

 数が多いから警察の手をかりている。皆さん、ちょっとおかしいとお感じになりませんか。

 ほかの公務員の場合に、公務員の数、多いですよ。しかし、受験者がきちんと応募票に書かれている住所に住んでいるかどうかということを警察が調べているかどうか、ほかの公務員ではないんじゃないですか。

 それは合理的な理由が何かあるんでしょう。それを隠さなくてもいいじゃないですか。自衛官だからという、ほかの公務員にはない特殊的な身分ですよね、それだからやっているのか。そういった説明だったらまだわかりますよ。ただ多いだけだったら、例えば郵政職員も公務員ですよね、多いですよね。

 そういったことを考えると、そもそもなぜ、応募者の住所、本当に現住しているのかということを調べる必要があるのか。そこはなぜなんですか。

○宇田川政府参考人

 繰り返しになって申しわけありませんが、現実にその場に居住しているかどうかを確認しておきませんと、合格通知とか、不合格の場合でも通知できませんので、それは必要になるわけでありまして、やはりその確認については警察に協力をいただいているということであります。

○中村(哲)委員

 委員長も笑っておられますけれども、だれが聞いてもおかしいと思う答弁ですよね。だって、採用を希望して出されているわけでしょう、受験者は。その住所が不適切で、また、うそをついていたりして届かないという場合には、採用されないわけですよ。そんな不利益なことを受験者がするはずがないじゃないですか。

 だから、自衛官だからという特殊的な事由があるんじゃないですか。それだったらわかるんですよ。長官、どうですか。

○石破国務大臣

 例えば、一般の公務員の方に対して、公務員を受験してくださいというようなダイレクトメールというものは発出をすることがないと思うのですね。例えば、地方公務員でも国家公務員でもそうですが、国家公務員になりませんかというようなダイレクトメールを発送するということはない。

 しかし、自衛官の場合には、自衛官に応募していただけませんかというような、少なくとも、先ほどお話しいたしましたし、そしてまたお手元の資料にもお配りをいたしておりますが、今でこそかなり応募をいただけるようになりました。しかし、以前は応募してくださる方は非常に少なかったのです。私どもの方から積極的に、自衛隊の内容、自衛官の職務の内容、そういうものをお話しし、国防の重要性をお話しして、そういうような注意を向けていただく、関心を持っていただく、そういうことが必要でございました。それは今もそうです。

 そうしますと、一般の公務員と自衛官と何が違うかというお尋ねで、この問題に限ってお答えをすれば、やはり、自衛官を受けていただけませんかということを発出する、それはかなり膨大な量に相なります。そういたしますと、これがもう本当にいないということになりますと、相当の国のお金のむだ遣いということになるわけでございます。したがいまして、どういうふうにして確認をするかということについて、一般公務員とどこが違うかといえば、その募集のきっかけということを行う行為、それが私どもで言う広報ということにも相なるわけでございます。そこにおいて、一般公務員と自衛官との相違ということは明確にあろうかと私は存じます。

○中村(哲)委員

 局長の答弁と長官の答弁で違うなと私が思うのは、局長の答弁では、住所地の確認というのは、応募者の住所地に対しては警察の協力をもらって調べる、そういう御答弁だったと思うのです。今大臣がおっしゃったのは、DMでたくさんの人に送って、たくさんの人の住所を確認する必要がある、そういう御答弁だったので、応募前と応募後というところで答弁が食い違っているんですね。それはどっちが正しいんですか。

○宇田川政府参考人

 今防衛庁長官の方から申し上げましたのは、例えばダイレクトメールなんかを出すほど募集について必死になっているという話だと思います。警察の方で確認してもらっているのは、志願者とかの住所であります。

○中村(哲)委員

 つまり、志願者の住所の確認なんですね。先ほど大臣がおっしゃったのは、ダイレクトメールを送るなど、最初のきっかけのところで非常に多くの人の住所を扱わないといけないから必要なんですという御答弁でした。今、局長は違っておりました。今たまたま長官が参議院の方に行く時間になってしまわれましたので席を離れておられますけれども、本当に数なんですか。

 私は、一般国民の立場から見たら、自衛官は特殊な立場だからだと思うんですよ。普通に考えたら、例えば過激派などが、テロ目的か何かわかりませんよ、そういった形で自衛官になるような人もいるわけです。そういうふうな懸念もされる可能性があるわけですよ。そういったときに住所を偽って出す可能性もある、そういったことを防止する目的で、治安上の目的とか公安上の目的で警察に協力をいただいています、もしこういう話だったらまだ聞いて理解できると思うんですが、こういうことではないんですね。単に数ですね。

○宇田川政府参考人

 先ほども防衛庁長官の方から御答弁申し上げましたが、私ども、応募状況、今は堅調な状況にありますが、バブル期とかは大変苦労したことがございます。したがいまして、志願した人間について、合格したのであれば必ず入隊してほしい、そういう感覚もありますので、先ほど申しましたように、正確に連絡をとれるようにということで、住居地の確認をしてもらっておるところであります。

○中村(哲)委員

 私はどうも理解できないのですね。確実に連絡をとるためなら、いろいろな方法があるはずです。志願者はきちんと住所を書くでしょうし、また住民票もつけますよね。それで、その住民票の住所と連絡してほしいところが違った場合にも、そういうふうにきちんと、連絡してほしいところの住所地が違う場合も書く欄はありますよね。にもかかわらず警察で調べないといけないというのは、ほかの理由があるとしか思えないんですけれども、もう同じ答弁ばかり繰り返しなので。非常におかしいと思います。

 私はかなり踏み込んで質問をさせていただいたつもりなんですけれども、このことは将来ひょっとしたら問題になるかもしれません。

 先ほど聞いていた質問の中で、どういう理由かというのは、先ほど数だという話でした。どういう方法でということをお聞きしたときに、防衛庁の職員の皆さんと警察の方と協力をしてやっておりますと言う。どういう協力をされながらやっておられるのでしょうか。方法について、答弁漏れがありましたので、確認させていただきます。

○宇田川政府参考人

 住居地の確認の方法でありますが、地連の職員の方が警察の職員の方に名前とか住所を伝えまして、それで確認してもらっています。

○中村(哲)委員

 地連の方で確認している。警察はどういうふうに協力しているんですか。

○宇田川政府参考人

 地連の方では、志願者の住所とか氏名は承知しているわけでありますので、それを警察に伝えるわけであります。そうすると警察の方で調べてくれるというシステムになっています。

○中村(哲)委員

 ということは、地連の人が受け取った情報、住所ですね、それを警察に伝える。警察は、その人がそこに住んでいるかどうかを、訪ねていって、表札が出ているのかなどで調べるわけですか。警察はどのように調べているのですか。

○宇田川政府参考人

 警察の調べる方法でありますが、私はつまびらかにしておらないところであります。

○中村(哲)委員

 九十七条二項で協力を求めていて、具体的にどういう協力がされているかは把握していないということですか。これは大問題ですよ。本当にそれでいいんですね。

○宇田川政府参考人

 警察の方でどういうふうな調査をやっているかにつきましては、一般的には場所を訪ねるとかあると思いますが、現実的にどういうふうな調査を行っているかについては、私は承知しておりません。

○中村(哲)委員

 だれが承知しているんですか。それで、防衛庁は知らなくていいんですか。

○山中政府参考人

 これは、法令の規定に基づきまして、私どもの方から警察に、先ほど人事教育局長がお答えをいたしましたように、応募者の住所の確認をお願いすることがあるということでございますが、その確認につきましては、警察が収集をし保有をしている警察の情報によって行っていただいているということでございます。

○中村(哲)委員

 そこについての質問は、これ以上聞きません。留保いたしまして、また後日お聞きするということで合意されたということなので、次の質問に移ります。

 総務大臣に伺います。

 住民基本台帳法の三十七条で、きょうの資料にもありますけれども、このように書かれております。三十七条一項、国の行政機関は「それぞれの所掌事務について必要があるときは、市町村長に対し、住民基本台帳に記録されている事項に関して資料の提供を求めることができる。」と書かれております。

 ちょっと細野委員の時間をもらっておりますので、続けて質問をしておりますけれども、この規定がなぜ今回の根拠にはならないんでしょうか。

○片山国務大臣

 住民基本台帳法の中心は四情報ですね。これについては、閲覧か住民への写しの交付かなんですよ。それ以外では法令に基づく場合なんです。これが基本的な考え方ですよ、住民基本台帳法は。

 そこで、今の三十七条は、これは国の機関等が情報の提供を求めることができるという規定でありますが、これは例えば統計をつくるとかそういうことに限定して解釈すべきだということに一貫してなっておりまして、基本的な情報は、今言いましたように、閲覧か写しの交付、その他法令で決める場合。自衛隊法の場合には、その他法令で定める場合に該当する、こういうことであります。

○中村(哲)委員

 そうなんですよ。私も旧自治省が書かれております逐条解説を持っておりまして、それに書いてあるのも、今大臣がおっしゃったことをそのまま書かれているんです。それを考えると、先ほど防衛庁が、自衛隊法と自衛隊法施行令で、根拠になってきたこの百二十条という規定で読めるということは法律上おかしいんじゃないかという議論が出てくるわけです。

 ここに私も、自衛隊法施行令をきょうとってきました。そこで、第七章の雑則というところからこういった問題の規定があるんですね。九十七条一項の、都道府県知事は「政令で定めるところにより、自衛官の募集に関する事務の一部を行う。」この規定の「政令で定めるところにより、」というのは、実はこの法形式を見ると、百十五条から百十九条の規定なんですよ。

 そして、百二十条は、先ほど総務大臣がおっしゃったような、この住民基本台帳法三十七条と同じような規定なんです。だから、本来、百二十条というのは、統計とか全体の計画とかをつくるための規定なんですよ。そうじゃないと、住民基本台帳法三十七条で情報は提供できないこととの整合性はとれないわけです。法形式では同じ規定の仕方をされているんですよ。

 それが証拠に、募集主体はだれですか。防衛庁の長官でしょう。自衛官の募集主体は長官ですよね。内閣総理大臣ですか。募集主体はだれですか。

○片山国務大臣

 防衛庁は研究していますから、私がとりあえず答えますが、九十七条がありますね、都道府県知事や市町村長は自衛隊募集に関する事務の一部をやるという規定がある。それは「政令で定めるところにより、」と。政令がいろいろ書いていますよ。百十九条が募集宣伝をやると書いてある、百二十条が資料の提出や報告を求めることができると。これは、事務をやらせることの一環でそういう百二十条という政令の規定があるわけで、私どもの方の三十七条とはそこは違うと思いますよ。

 私どもの方の三十七条も、読み方によっては広く解釈できるんですよ。ただ、これは、住民基本台帳法全体の趣旨と制度の仕組み、何度も言いますが、閲覧と写しと他の法令の場合、それ以外できるだけ限定化しようということが三十七条の昔からの有権解釈になっているので、防衛庁の場合はそうじゃなくて、自衛隊の募集の事務を市町村長がやる、都道府県知事がやる、その場合に必要があれば報告は求めたり資料の提出は求めることができる、こういうふうに読むべきだと思いますよ。

 法律の所管は向こうですから、ちゃんとした答弁があると思います。

○宇田川政府参考人

 今委員御指摘の募集についてでありますが、八章の九十七条、一項については「都道府県知事及び市町村長」になっていますが、二項で、長官は「自衛官の募集に関する事務の一部について協力を求めることができる。」というふうな規定ぶりになっておりますので、募集の主体は長官というふうに考えています。

○中村(哲)委員

 そうなんです。募集の主体は長官なんですよ。だから、百二十条が防衛庁長官はと書いてあれば根拠になり得るんですよ。しかし、これは「内閣総理大臣は、」と書いてあるんです。だからこそ、先ほど片山さんがおっしゃった住基法の三十七条の趣旨と同じだと言っているんですよ。統計をとったりするための目的で百二十条がある。

○宇田川政府参考人

 御指摘の自衛隊法施行令の百二十条の関係でありますが、これは百二十条の前に百十四条がございまして、募集期間の告示がございます。これは「二等陸士として採用する陸上自衛官の募集期間は、内閣総理大臣の定めるところに従い、都道府県知事が告示するものとする。」と書いてありまして、これは主体的には内閣総理大臣になっております。これとの並びで、例えば地方行政事務について所管する官庁と私ども防衛庁との関係で、内閣総理大臣が規定されているのではなかろうかと思います。

○中村(哲)委員

 百十四条と百二十条が並びというのは、私もそのとおりだと思いますよ。内閣総理大臣は企画一般に関して権限があるからですよ。だから、募集期間に関しては内閣総理大臣が定めているわけです。だから、統計とかそういう全体的なこと、そういうことを内閣総理大臣が決めているんです。募集の手続自体は、主体としては長官がされているということなんですよ。

 だから、今局長がおっしゃった御答弁そのまま考えると、百二十条は、個別具体的な個人の情報を求める、そういった権限を持った法規範にはなり得ないということなんです、今局長がおっしゃった答弁を前提にすれば。そこなんですよ。今御自分がおっしゃったことをおかしいということをお感じになっていませんか。

○宇田川政府参考人

 御指摘の自衛隊法施行令の百二十条の「内閣総理大臣は、自衛官の募集に関し必要があると認めるときは、都道府県知事又は市町村長に対し、必要な報告又は資料の提出を求めることができる。」につきまして、統計的な数字だけではなかろうかという御質問ですが、今までそういうふうな運用をされておりませんし、そういうふうなものではないというふうに考えております。

○中村(哲)委員

 法規範に違反して運営されていた場合に、今まで運営してきたからそれが適法なんですということにはならないでしょう。今までの運営がどうだったかと聞いているわけじゃないんですよ。そういった運営が法規範上違法ではないのか、そこを問題にしているわけです。そこは理由になっていませんよ。いかがですか、実質的な理由を答えてください。

○山中政府参考人

 御説明をいたします。

 今百十四条もお引きになりましたが、これも内閣総理大臣、百二十条も内閣総理大臣でございます。これは防衛庁の特殊性といいましょうか、内閣府の外局としての位置づけがされております。いわゆる主務大臣としての内閣総理大臣、これは内閣府の長としての内閣総理大臣という位置づけと、それから内閣の代表としての内閣総理大臣、二重の性格を持っているわけでございますが、百二十条等の内閣総理大臣というのは、内閣府の長として、いわば主務大臣として自衛隊法の規定に基づく一定の権限行使を行うという位置づけでされている規定ということでございます。

○中村(哲)委員

 そのことは私は最初から何も否定していませんよ。一定の範囲内でかかわる、それは、自衛隊のトップは総理大臣なんですから、当たり前のことじゃないですか。だけれども、募集主体は長官なんでしょう。だからここで、根拠にならないと言っているんですよ。実質的な理由は何も答えていません。

 もう時間もかなり過ぎましたので、細野委員に席を譲ります。ありがとうございました。


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