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2003年4月18日 
第156回国会 衆議院 個人情報の保護に関する特別委員会   
案件:個人情報の保護に関する法律案、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律案、独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律案、情報公開・個人情報保護審査会設置法案、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案野党提出4法案

[1]質疑内容   [2]質疑項目   [3]会議録抜粋


[1] 質疑内容(30分) 「センシティブ情報の取扱い等について」   

個人情報の保護に関する特別委員会が設置され、その委員に任命されました。最初の質問は、センシティブ情報等の取扱いについて取り上げました。

センシティブ情報とは、1)思想及び信条に関する事項、2)医療に関する事項、3)福祉に関する事項、4)犯罪の経歴に関する事項、5)人種、民族、社会的身分、門地並びに出生地及び本籍地のいずれかを含む個人情報のことを指します。

野党は、これらの情報は個人情報の中でも特に慎重な取扱いを要するものと考えており、提案中の個人情報保護法においても特に規定を設けていますが、政府提出の法案では、その必要は無しとして特段の定めは置いていません。

質問では、実際にこれらの情報がどのように取り扱われているか、具体的に犯歴情報に関して指摘しました。

公務員になる場合や議員候補者になる場合、又は弁護士や弁理士等になろうとする場合、採用者や選挙管理委員会等は、当該対象者が過去に犯罪の経歴を持っているかどうかといった事を確認する必要があります。この確認事務は、現在市町村が、検察庁から犯罪に関する経歴(犯歴情報)を入手し、それをもとに実施しています。

明治以来、当たり前のように市町村が行ってきたこの事務ですが、実はそれを市町村が行う法的根拠がはっきりしていません。検察庁の方も市町村に犯歴情報を渡すことについての法的根拠がはっきりしていません。したがって、当然ですが、検察庁の持つ犯歴情報のうちどの部分をどの程度市町村に渡すのか、また渡された市町村がその犯歴情報をどう取扱うのかといった規定もまた整備されていないのです。

これから個人情報保護を進めていこうと主張している政府が、実際には個人情報の最たるものの一つである犯歴情報について、このように無頓着に取り扱っている。この実態について片山総務大臣の見解を問いただしたところ、何らかの法的措置等が必要だとの回答がありましたが、センシティブ情報について特段の規定を盛り込むべきではないかと細田担当大臣に確認したところ、芳しい回答はありませんでした。

[2] 質疑項目

行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律案(閣法)

1.犯罪経歴関連

  1)犯罪照会への対応の現状
  2)各自治体に提供している根拠法令
  3)法律又は政令における取扱いを規定する必要性
  4)政令を検討する際の根拠法
  5)自治事務として取り扱われていることの是非

2.センシティブ情報を例示規定する必要性

3.部分開示関連
 
  1)部分開示の位置づけ
  2)第十五条第二項(部分開示)の概要

[3] 会議録抜粋

○中村(哲)委員

 民主党・無所属クラブの中村哲治です。

 私は、本日、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律案について質問を行います。

 まず、センシティブ情報の取り扱い方について質問をいたします。

 と申しますのは、野党案には、センシティブ情報の取り扱い方については厳しい取り扱いをしないといけないということが書いてありますけれども、政府案にはない。しかし、その立法事実については果たしてきちんと精査されてきたのか、また、この委員会で立法事実についても触れる必要があるのではないか、そういった意味で、立法事実のうちの一つである犯罪の経歴について、その取り扱われ方についてまず確認をさせていただきたい、そのように考えております。

 そこで、まず法務省の方にお伺いいたします。増田副大臣、よろしくお願いいたします。

 犯罪の経歴、いわゆる犯歴の情報というものは、各法律によって、その情報が照会されなくてはならないことになっています。例えば公職選挙法十一条、これは、被選挙権があるかどうか犯歴を調べないといけないことになっております。また、国家公務員法三十八条、地方公務員法十六条、これらは犯歴によってその欠格条項を定めている、そういう条文になっております。このような形で、各地方自治体やまた国家機関においては、当該申請などで各個人にどういう犯歴があるのかについて調べる必要が出てきます。

 このような犯歴がある者について資格制限がある法令というのは二百ぐらいあるんですけれども、こういった犯罪の経歴について今どのような照会の方法が行われているんでしょう
か。

○増田副大臣

 お答えをいたします。

 検察庁におきまして、捜査、公判等の検察事務を適正に遂行するために犯歴情報を保存しております。他方、市区町村における選挙人名簿の調製や身分証明事務に資するため、検察庁から犯歴情報を当該個人の本籍地の市区町村長に提供いたしております。

○中村(哲)委員

 つまり、検察庁が把握している、そして、当該個人の本籍地のある地方自治体にもその情報は流している、そういったことになっておるということで把握できるんですけれども、それでは、その根拠法は何でしょうか。

○増田副大臣

 検察庁法第三十二条に基づき定められる法務大臣訓令である犯歴事務規程第三条第四項に基づきまして、犯歴情報を提供いたしております。

○中村(哲)委員

 これは私は非常に問題だと思っているんですね。与党の皆さんも、今副大臣がおっしゃったことを、ぱっと条文だけおっしゃったので、どういうことかわからないというふうにお感じになっていると思うので、私が少し読ませていただきたいと思います。

 検察庁法の三十二条にはこのように書かれております。「検察庁の事務章程は、法務大臣が、これを定める。」これだけの規定です。検察庁の事務章程にかかわるものだから、法務大臣がこの法律によって、今増田副大臣がおっしゃった犯歴事務規程というものを設けている。法務大臣が一般的に授権されている権限の中で定められているものにすぎないんですよ。

 私はこれは非常に大きな問題だと思います。確かに、三条四項には、その情報は市町村に伝えるということが書いてありますけれども、果たして本当にそれでいいのかどうか。

 増田副大臣、やはり身分の照会という行政事務、特に犯歴というようないわゆるセンシティブ情報を扱うようなものというのは、本来、一元的に国の事務として管理している検察庁こそが行うべき事務ではないかと私は思います。

 国が把握して、まさに国が一律的に定める法律によって欠格事由などにしているものですから、その情報というものは国法により全国一律に取り扱われなければならないような規範を示す必要があるのではないでしょうか。今根拠となっているものは、検察庁法から委任された法務省訓令と、またそれは各地方自治体の方で条例という形になっているでしょうけれども、そういった訓令と条例という形だけで本当にいいんでしょうか。

○増田副大臣

 委員御案内のとおりでございますが、今委員がおっしゃいましたように、従前は、地方自治法第二条第三項第十六号において、身分証明事務は地方公共団体の固有事務の一例として規定をされておりました。その規定されていたのが、平成十二年の地方自治法の改正後は、地方公共団体が処理する事務のうち、法定受託事務以外のものはすべて自治事務、このようになり、現在においても身分証明事務は自治事務として市町村の事務とされていることは、委員の先ほどの御発言で既に御承知のことかと思います。

 そこで、それらを土台にしながらお答えを申し上げますが、まず、検察庁において犯歴情報を保有している目的は、一般に、裁判の適正を確保し、捜査、公判等の検察事務を適正に遂行するためであります。他方また、身分証明事務は地方自治体の固有の自治事務であることから、犯歴情報の取り扱いにつきましては、必ずしも法律の規定がなければならないということにはならないものと考えます。

 また、犯歴情報の取り扱いにつきましては、各自治体の条例によるほか、委員の御発言のとおりでありますが、地方公務員法に守秘義務が定められ、これに違反した場合の罰則等が規定されていることなどにより慎重な対応が行われている、このように承知をいたしております。

 御発言から考えまして、犯歴情報の行政機関における取り扱いについては、直接個人の権利義務を定めるものではないのでありますが、法律がなければならないとは今は考えておりませんけれども、なお、これについて法律に規定する必要があるか否かについては、その法律の対象とすべき情報の範囲や重要性、取り扱いの内容等を慎重に検討することが必要であると考えております。

○中村(哲)委員

 お話を伺ったのは法務省として出す側の立場からの意見だと思うんですけれども、それでは総務大臣、今の増田副大臣の御答弁をお聞きになっていて、果たして本当に身分の照会というのは各自治体の固有の自治事務と言えるのかどうか、大臣がそのように考えているのか、またそれはなぜか、それについてお聞かせいただきたいと思います。

○片山国務大臣

 平成十二年の四月から地方分権一括推進法ができまして、それまであった機関委任事務だとか団体委任事務だとか、いろいろな考えがあったんですよね、行政事務だとか固有事務だとか。それが全部そこで変わったんですね。機関委任事務というのはなくなったんですよ。

 機関委任事務というのは、もう御承知のように、都道府県の知事さんや市町村長さんを国の出先機関と擬制して、フィクションでつくって、国の事務を執行機関にやらせるんですよ。だから、その限りでは、知事さんが、例えば総務大臣の出先機関、市町村長さんは知事さんの出先機関。これは、一つのそういう仮の、フィクションをつくって、そこで総務大臣の仕事をやらせるんですよ。だから、本来、議会は関与できないんですね。これを機関委任事務と言ったんです。これはたくさんあったんですね。これはちょっと、こういう地方分権ではいかがかなという議論でやめちゃったんです。

 そこでやめて、国が地方にやってもらう場合には、法律に根拠を持って受委託、委託する、これが法定受託事務なんですよ。それを法律できちっと限定して決めたものですから、残りは全部自治事務になっちゃったんですよ。自治事務的でないものも、分類は自治事務になったんですよ。

 この犯罪人名簿、犯歴の、これはなかなか難しい事務なんですね。戦前はきちっと整理できていたと思うんですよ、法的根拠もあって。戦後はつなぎでやってきたものですから、そこでその間に地方分権一括推進法なんかできているものだから、受ける方の法的な根拠がなくなっちゃったんですよね。恐らく、出す方の法的根拠もそんなにはっきりしていないと私は思うんですよ。しかし、これは必要な事務なんですね。犯歴をちゃんと本籍地の市町村長が持って、例えば選挙の立候補の欠格条項に該当するとか公務員になれないとか、こういうことのために要るんですよ。

 だから、これは検察庁から通知をしてもらわなければならないと私は思いますけれども、しかし、今のところ法的な根拠は定かでない。これは考えないといかぬと私個人は思っておりますが、これは長い経緯がありますから。扱いとしては慎重にやっています、いずれにしろ、出す方も受け取る方も。当たり前ですよね、犯歴情報ですから。慎重にやっておりますが、何か要るのかなということは思っておりまして、これは十分検討してまいりたい。

 大変いいところを御指摘いただきましたので、その限りでは大変敬意を表します。

○中村(哲)委員

 個人的な意見ということで、何らかのものが必要だと大臣はお認めになっていますよね。本当にこれは法律で決めないといけないはずなんだと私は思うんですよ。

 というのは、何で戦前からずっと今日までこのような、内務省令という形だったのか、行政内部の形で処理されてきたのか、それが許されてきたのかというと、もともと戦前には、行政は必ず間違わない、国賠法もありませんでしたし。それはなぜかというと、行政というのは間違わないんだ、その中で情報というものは、何も中で配慮しなくても、融通し合ってもいい、そういった、ある種権威的な情報の流れ方というのが許されてきたということだったと思うんです。

 なぜ今日において行政機関個人情報保護法というものが必要になってきたのか。それは、情報というものが社会的に非常に重要な価値を持ってきた、そして、その取り扱いの方法については、やはり法規範としてかなり上位規範である、憲法まではいかないけれども法律できちんと決めましょうね、そういったのが時代の要請として今日あったからだと言えると思うんです。

 そうすると、今大臣が本当におっしゃったように、やはり今の状況というのは問題があるんですよ。出す方、先ほど法務副大臣がおっしゃったように、検察庁法から委任された法務大臣による訓令の形しかないわけですよね。だから、これははっきりした法規範の形とは、訓令という形だから、明文上は書かれておりますけれども、これが権利義務を左右する法令のものじゃなくていいのかどうかということを考えたら、今、片山大臣がおっしゃったように、出す方もはっきりしていない、そういうふうなことになるんだと思うんです。

 片山大臣が今おっしゃったように、受ける方もはっきりしていないということになるとすれば、これはやはり、少なくとも、法律で難しかったとしても、政令ぐらいでは授権している必要があるんじゃないでしょうか。片山大臣、いかがでしょうか。

○片山国務大臣

 これは納得ずくで出して、納得ずくで受けているんですよ。しかも、それは大変意味があることなんです。だから、あとは、根拠というのかな、法形式なんですね。私は個人的な意見を言えば、政令でしょうね、政令できちっと整える、そういうことが必要だと思いますし、扱いは、これは犯歴ですから慎重にやる、こういうことは必要ですね。これも一種の行政機関の個人情報の一つになりますからね。

 だから、そういうことでの、今、中村委員言われたような、出す方の根拠と受け取る方の根拠をどういう形がいいのか、これもいろいろな議論があると思いますので、検討を要すべき課題だ、こう思っております。

○中村(哲)委員

 政令とおっしゃいましたけれども、特にどういう政令をつくるのか、どういう観点で政令に授権する法律をつくるのかというところになると思うんですよ。

 片山大臣、今、政令とおっしゃいましたけれども、現時点での法律をもとに授権される政令になると思うんですけれども、どういう法律から授権された政令になるというふうに考えているんでしょうか。

○片山国務大臣

 法務省関係の法律、私よく知らないんですけれども、ぎりぎり言えば、設置法に基づくあれでもいいんですね。その辺はいろいろなあれが出ますので検討させていただきたい。はっきりした方がいいことはいい、私はこういうふうに思っております。

 もう事実上ずっとやってきて支障はないんですよ。支障はないんですけれども、中村委員のような御疑念を持たれるということはあるものですから、その根拠ははっきりしておく方がいいんではないかと思っています。

○中村(哲)委員

 片山大臣おっしゃること、よくわかるんですよ。出す方も納得している、受ける方も納得している、だから今支障がない。確かにそのとおりなんです。

 だけれども、情報それ自体に価値を持っているんじゃないかという時代に今来ているわけですよ。そうすると、この情報は、受ける方も出す方も自分の情報ではないですからね、ある意味で。だから、出す方も受ける方も納得ずくなんですよ。だけれども、それを扱われている人が納得しているのかどうかというところが今問題なんじゃないですか。だからこそ慎重な取り扱い、犯歴情報だからしているんですよね。

 犯歴情報だから慎重な取り扱いをしているというふうに片山大臣がおっしゃったということは、やはりそれは、犯歴情報というものが、どういうたぐいのもの、どういう性質のものであるか、暗黙の合意があるからではないですか。だからこそ、出す方も受ける方も納得ずくだけれども、今の取り扱いのやり方は少し問題があるなということを増田副大臣も片山大臣も内心では思っていらっしゃるんではないか。だからこそ片山大臣は、やはり政令ではつくらないといけないよね、そのようなことを御答弁なさったのではないですか。

 そうすると、やはり今の取り扱いのやり方は何らか変えないといけない。つまり、この犯歴の問題で何が明らかになってきたか。それは、時代が変わって、情報が情報として大きな価値を持ってきている、そしてその中にセンシティブ情報というものが、やはり行政の皆さんも暗黙の中で、自分が市民としたらこれは大切に扱ってもらいたいよねという感覚でこのセンシティブ情報というのを見始めているからということと言えるんではないでしょうか。

 細田担当大臣、そういった意味で、やはり犯歴の今の取り扱いのあり方を見ても、私は、これは細田担当大臣と意見は違うかもしれない、しかし、今、犯歴情報を初めとしてセンシティブ情報というものが、この日本国の法規範の中で必ずしもきちんと権利義務が明確化されて適切に取り扱われるとは言えないのではないか。そういった意味では、基本法としてもセンシティブ情報について規定している野党法案の方が現段階の法制としてはいいのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

○細田国務大臣

 個人にまつわる情報は、個人にとって極めてセンシティブな情報が多いと思っております。

 私は、ちなみに、これは変だなと思って、クレジットカード会社の申込書というのを取り寄せました。デパートのカード、何々デパートカード申込書を取り寄せました。そこには、あなたはどんな会社に何年間、管理職の有無とか、勤めて、収入が幾らで、あなたは自宅に住んでいるか、アパートに住んでいるか、借家に住んでいるか、何年住んでいるか、家族構成がどうで、学歴がどうでと、みんな書かせますね。それを前に申し上げたら、いや、そんなことあなた関係ないよとおっしゃいました、某党の皆さんは。しかし、個人にとって物すごく関心のある、しかも守りたいセンシティブです。

 それから、保険会社の契約書を取り寄せました。あなたは今妊娠中ですかとか、過去にそういう、産婦人科でどういうことがありましたか、病院にかかったときは何回入院していますか、何カ月、いつですか、あなたは健康情報はどういう分析をしていますか、糖尿病の値は、血糖値の値はどうですか、高血圧ですか、物すごいんですよ。

 こういう情報は、私企業間での私契約とはいえ、これがもし、まあ生命保険に入るんだからしようがないか、あるいはデパート、クレジットカードの情報を提供するんだからしようがないかと思っても、これが蓄積されて出た場合ははるかに大きなセンシティブ情報になりますね。

 本当は、財産、戸籍とか、もちろん土地の所有権とかマンションや家屋の所有権でも、そこにかかっている債権者の根抵当権とか担保、優先順位、こういったものも物すごく大事ですね。所得でも、去年の所得は、あなた高額所得者で何億円ですねとか、高額納税者ですねとか、もうありとあらゆるものが転がっています。

 我が国会議員だって、ちょっと閣僚になれば、何でも届け出ろ、国会議員でも全部届け出ろ。これは公益という別の意味で、届け出ることが正しいと思って、非常に個人個人で見ればセンシティブな情報が例外的に認められる。さっきの登記簿や何かは本人にとってはすごく、大変センシティブだけれども、公益によって、これは公示することが社会的な利益に合致するから出す。

 あるいは、個別の保険会社との関係でいえば、やはり正しく申告してもらって、生命保険料が正しく払われるかどうか、ほかの生命保険を掛けた人に害を及ぼさないか、まあいろいろな大事件もありましたけれども。

 こういったことで、さまざまな個人情報が扱われている中で、本当に、例えば犯歴とか出生地とかなんとかという例示が最優先のものであるのかというと、私はちょっといろいろ、もちろんセンシティブであることは否定しないんですよ。だけれども、やはり例示をこれで出して、これが最も大事であるというよりは、あらゆる情報は同じように取り扱って同じように処理をするということを基本にするということの方が大事なのではないかというふうに考えております。

 もちろん反論はいろいろあると思います。では、そういう場合は個別法で規制したらいいじゃないかというようなこともあると思いますけれども、私は、センシティブというものがしっかりとした例示をできる規定であるかどうかという点についてはなお検討を要するのではないかなというふうにも思っておりますので、そのことを申し上げたいと思います。

○中村(哲)委員

 いや、それだったら、犯歴情報について今の取り扱われ方というのはどのようにお考えでしょうか。(細田国務大臣「判例」と呼ぶ)犯歴情報。今ずっと議論しておりました犯歴情報について片山大臣は、何か新しいルールをつくらないといけないんじゃないかというような趣旨のお話がありましたけれども、それは細田大臣も同じようにお考えだということでよろしいですね。

○細田国務大臣

 ちょっと犯歴の問題については、もちろん個人にとって情報として非常にセンシティブであることはわかります。それで、先ほど来総務大臣が御答弁申し上げておりますので、私はその同じ考えを有しております。

○中村(哲)委員

 一つずつ例示することが適切でないから、一つの例として犯歴情報を挙げたわけです。だから、それについては、私は、一個一個こういうものが出てきたら正していくんですよという答弁をしていただくのが一番よかったと思うんですよね。

 時間がないですから、開示請求の方に行かせていただきたいと思います。

 本法案においては、情報公開法と同じように、保有個人情報の開示義務等が第十四条及び第十五条で規定されています。

 平成十三年の三月二十七日の最高裁判例で、情報公開事案を対象とする訴訟においてでございますけれども、独立した一体的な情報という概念もあらわれてきまして、この場合、一部を黒塗りにして情報開示を行うという公開の権利を否定するというふうに評価される考え方も出てきておりますので、ここに関しては確認の意味を含めまして質問をさせていただきたいと思います。

 総務大臣にお聞きいたします。

 本法案においても、請求された情報のうち全部が開示されなかったとしても、本人に対しては極力部分的な開示をするということが、そういう運営が個人情報保護法制のあり方として正しいと私は思いますが、いかがでしょうか。大事な問題なので大臣にお願いします。

○若松副大臣

 これもこの法律のかなり重要な部分でありますけれども、この保護法案によりますと、行政機関の長に対しまして開示請求があった場合には、原則として開示する、あくまでも、情報はだれのものかという観点からしますと、やはり原則開示の義務を課しているわけでございます。

 そこで、第三者または公共の利益を保護するために必要があるため開示できない、こういった場合も当然あろうかと思いますので、そういうこともありますが、本人に対し極力開示することは当然でございまして、その上で部分開示の規定も設けている、そういった構成になっていることを御理解いただきたいと思います。

○中村(哲)委員

 片山大臣、改めてよろしくお願いします。

○片山国務大臣

 原則として開示ですよね。ただ、いろいろな理由があって、第三者または公共の利益を守るために開示できないこともあります。しかし、それは部分開示で、分けて開示できるんなら開示した方がいいんですよ。そういうことを今副大臣が言われました。同じ考えです。

○中村(哲)委員

 
第十四条二号、第十五条二項というものは、開示請求者以外の個人に関する情報について、第十四条の三号から七号と定め方が異なるなど、一見すると非常にわかりにくい規定の仕方をしています。これは副大臣で結構ですから、特に十五条二項で十五条一項と違う規定の仕方をしているのはなぜでしょうか。あわせて説明を伺います。

○若松副大臣

 この不開示情報に関する規定につきまして、開示請求者本人の個人情報についての規定を除きまして、基本的には情報公開法に倣ったものでございまして、開示請求者以外の第三者に関する情報につきましては、第三者の権利利益の保護を図るために、氏名等によりまして第三者を識別することができる情報を原則として不開示情報としております。

 第三者の氏名を消せば開示しても第三者の権利利益が害されるおそれがない場合も考えられるということから、部分開示のいわゆる特例規定、第十五条の第二項、これを設けているところでございます。

○中村(哲)委員

 それを普通の国民が聞いてわかるかどうかという話なんです。

 時間が参りましたので、これはもう少し深めて後日議論をさせていただきたいと思いますけれども、なぜこのような規定があるのか、それは、個人の情報、他人の個人の情報の場合は一括して扱うのかどうか、そして、その基準は何なのか、そういうことを答えてもらわないといけないわけです。だから、非常に問題がある答弁だと思いますので、また後日やらせていただきたいと思います。

 ありがとうございました。


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